てのひらを、かえして

知的怠惰の集積地よりお送りする、手斧と料理のふんわりブログ。

鍋考

今宵は鍋の話をする。
これは以前も書いたが、単身赴任をしていた際の夕飯は基本的に鍋だった。今の居住地よりさらに田舎で、買い物先の選択肢なんてなく、地元チェーンのスーパーしかない。しかも22時には閉まってしまう。水曜日が肉の日で木曜日が魚の日だったが別に安いわけではなく、新しい商品が入荷するのがその日だっただけだ。しかし裏を返せばその前日は値引きされているのでそこを狙って買っていた。鴨肉の割引とかあった日には祭の開催だった。

なぜかその店は毎週あんまり売れないのに牛モツが仕入れられていたので、割引になってるのを見かけたらモツ鍋にしていた。むしろニラの方が高いわコレ! となる夜もあった。

小学生の家庭科でやったはずだが、出汁、つまり旨味成分というのは違う旨味成分と混ぜた場合その旨さスコアは足し算でなく掛け算で増える。植物性(グルタミン酸)、動物性(イノシン酸)、キノコ性(グアニル酸)、貝性(コハク酸)の4つだ。コハク酸は高校生物の呼吸商の実験で出てきたアイツだ。メチレンブルー。

このうち2つ、ないし3つを兼ね備えると鍋は断然うまくなる。例えばしゃぶしゃぶは2要素、昆布出汁と肉だ。ピェンロー鍋は白菜と豚バラと干し椎茸で3要素だ。

それから、どこかで一品は脂があるとよい。

そろそろ暖かくなってきて白菜が使いにくくなってくる季節で辛い。

そんな時によく食べる鍋だ。
確か大学出て一人暮らしし始めた頃に編み出したやつ。

水菜と鳥モモとアサリの鍋。

材料

水菜 1束
鳥モモ 1枚
アサリ 1パック
エノキダケ 半束
豆腐 1パック
めんつゆ

作り方

水菜を5cm間隔に切って白いとこと緑のとこと根元に分ける。
アサリを鍋に敷く。
エノキダケは下から1/3を切り、水菜の白いところと一緒にアサリの上に敷き詰める。
鳥モモは半分に切って、それぞれを5mmくらいの厚さにスライスする。
豆腐は大体一口大に切って鳥モモと一緒に水菜の上に置く。

水菜の青いところを上からかぶせる。
めんつゆを水で薄めてスープにする。素麺を食べるにはちょっと薄いかな? くらい。毎回料理勘ない人出来るような記載を心がけてますがごめんなさい。これは毎回目分量だわ。

豆腐が浸るくらいまでスープを入れて煮る。沸騰したら大体食べごろ。

(分量外) シメは蕎麦を煮込む。

水菜は火を通すとめちゃくちゃいい出汁が出るので夏の鍋におすすめする。