てのひらを、かえして

知的怠惰の集積地よりお送りする、手斧と料理のふんわりブログ。

牛乳パックはイワシの仲間なので手開きでよい。

よくない。

牛乳パックは資源ごみであるが提出日時が決まっている通常のごみステーションよりも開店中ならいつでも行けるショッピングセンターのBOXの方が便利なのでそちらに出しに行く。放り込む際に見えてしまうのだが他の家から来た牛乳パックはみんなシャープな切り口で切り開かれて整然と並んでいる。比べて自分が持ち込むのは糊付けの部分からべりべりと引きはがしてパルプの繊維がチラチラとしたいかにも不格好な牛乳パックで、なんとなく劣等感を刺激されてしまう。リサイクルに出す要件は洗って乾燥してある事と開いてある事、この二つだ。ハサミで切ると刃の長さが足りずに手をパックに突っ込むことになり角っこが当たって痛い。さりとてカッターナイフをそのためにキッチンに用意するのはいかにも物々しい。

これ以上キッチンの小物が増えるのはつらい。俺に把握できるのはピーラーと簡易包丁研ぎ機とおろし金くらいだ。ハンドチョッパーはちょっとあやしい。既に刃だけ見失ったチョッパーが台所の隅にいる。コールスローサラダを作って食べようという野望はとうに潰えてしまった。なんか配偶者の好みに合わなかったらしい。毎朝のサラダはスーパーで買った袋入りの千切り野菜¥98だ。

6本の腕があるオブジェはニトリではコップ乾燥の用途で売られていたものだが、飲み終わった端から水で洗ってそこに挿している。開いておかないととんでもなくスペースを食う上、軽くて意外と安定しないので台所に雪崩がおこる。しかしながら飲み終わったそばからパックを開いてしまうのにはそれなりに問題があって、小学生の連絡ノートから時折牛乳パック、ラップの芯、段ボールが必要とのお達しが来るので、適度なストックは必要なのであり、一定の本数はここで待機してもらっている。けっして横着をしているわけではない。

手開きのやり方としては4つある角のうち一つに糊付けがあるのでここを指で引きはがすとそう力を入れなくてもぺりぺりとはがれてくる。胴を開いたのち、底の部分は折りたたまれて貼り付けられているが、ここを破らずにきれいに開いたときはちょっとだけ達成感がある。イカを捌いたときに墨袋を傷つけずに取り外すのと似ている。

日曜日のよる。洗い物も洗濯物のたたみもシンクの掃除も済ませてまた牛乳パックを開くのは新しい週のためだ。