てのひらを、かえして

知的怠惰の集積地よりお送りする、手斧と料理のふんわりブログ。

蕎麦心

漫画「おい! ピータン!」に「カレー心」の回がある。カレー心はターバンを巻いてウコン色をしたちっちゃな妖精だ。あの漫画の好きなところは「おまえを〇〇のカレーにしてやろうな」のとこだ。このこころをどこのどのうまいアレで昇華させるか。食いしん坊はいつもこのことを考えている。
「〇〇をたべたい」と思う気持ちがある時、それは〇〇をおいしく食べることができる時期だ。
しかし大森さんは繁忙期に入っていてなかなかイイカレー屋に行くことができず、カレー心の方から「ボク、コンビニのカレーでもいいよ」とけなげに申し出てくる、いやしかしそんなわけには……となる大森さん。オチは各自で確かみてみろ! 実写ドラマは原作ファン大満足の素晴らしい出来でしたね。

俺の持ち蕎麦屋を紹介しておく。ちょっと郊外のお高くておいしいA、街道沿いの盛りだけは間違いないB、同じく街道沿いの蕎麦以外もメニューが豊富なC、一番近所にあって夜は居酒屋営業をしておりビールのうまいDはこないだ閉店して別の居酒屋になった。残念だ。
隣の市まで足を伸ばせば隠れ家的E、隠れ家すぎて客が来てるのか心配になるF、居酒屋系だがツユが醤油のG、天ぷら最強のH、ここもツユが微妙だが蕎麦は抜群だ。くらいまではある。あるがしかし隣の市となるともはや「今日の昼はあの店とする! 」と軍師になって出陣する気合が必要だ。ジャーンジャーン!! ゲェッ! 力石!

Aはこないだ行ったらおじさん2人が日本酒をいきながらジャンジャンもりを積み重ねる粋な食い方をしていて、いつか俺もあの領域に行きたい。彼らがどうやって帰ったかは不明。車なしで帰れないはずだが。

Bの盛りはやばい。フルヘッヘンドだ。しかもザルをはみ出している。こちらに住み始めた頃に上司が「蕎麦好きなら」と連れてってくれて大変な目にあった。「邪道食いはよせーっ!」のフレーズで有名な、土山しげる先生の「食いしん坊」を読んでハンター錠二の教えを知らなかったらおそらく醜態を晒していたことだろう。ちなみにその日の午後は仕事にならなかったことを告白しておく。
割と有名らしくここの大盛りに観光がてら挑戦して撃沈するものが絶えない。先日お邪魔した際に隣の席でやはり大盛りチャレンジしていたのをみかけ、これは無理だろうと侮っていたら「すみませーん! 持ち帰りでーす!」と慣れた感じで店員からプラの容器を受け取り、残りを詰め込んで帰っていくのを見て完全に敗北した。店に対する理解が足りていなかった。

ところで、いまここに俺の蕎麦心が来てます。