てのひらを、かえして

知的怠惰の集積地よりお送りする、手斧と料理のふんわりブログ。

221004不安に弱いことについて。

出張は嫌いだ。
いや、労働全般が嫌いなのだけれども出張が嫌いだ。
外注先工場への出張なんかは割と気にならない、家族に会えないのは寂しいけど。取引先だからもうお互いにたいていのことは把握しているし、近所の宿泊先だってだいたいわかってるのでいい。朝飯の豪華な宿と朝飯がまぁまぁだけどコンビニが近い宿と朝飯はイマイチだがサウナがある宿だ。

なにが嫌って現場への出張は何から何まで決まってないしわからないことだらけだから行くまでものすごい不安になる。どうやって現地に行くの? 宿はちゃんとしてる? 忘れ物してない? 宿から現場までの出勤はどうする? 現場ではどんな人がいる? ちゃんと作業できるの? 忘れ物してない?
これらの不確定要素で押しつぶされそうになるし、忘れ物を避けるために必要そうな道具は全部スーツケースに詰め込んであるのでとても重い。

宿だってこの令和の世にそんな変なひどい宿なんてないでしょって思うかもしれないが、実際に遭遇したことのある宿はね、ろくな鍵もついてないのもあれば都会のど真ん中なのに風呂や部屋にまともな照明もなく無駄に重くて分厚い鉄扉で鍵はかかるけどそれが何の保証にもならない部屋とか。あのときは貴重品を抱きしめて寝て早朝目が覚めるやいなやチェックアウトしたなー。会社で宿の予約を取ってもらうと金額第一で決められるのでこういうことが起こる。命の危険を感じたのでそれ以後は面倒でも自分で宿の予約をとっている。

仕事だからね、何とかするんだけどね。
不安要素があるとものすごい気が沈むのでその間はもう何も楽しめなくなるのが困る。実際に行って一日でも過ごせばもう何ともなくなるんだけどなぁ。

だから食に関してはチェーン店ってものすごい安心感があって本当にありがたいと思っている。他のことで不安を受け入れるキャパなんて限界まで使い切っているのに、これで食べ物でまで不安を抱え込むなんて無理。行ったことのないチェーン店とかもうごちそう。すでにチェーンとして味にぶれがないことが保証されてて、でも知らない味を食べることができる。こんなにうれしいことはない。それでも初バーキンに入っていくのにかなり心の力を振り絞らなきゃいけなかった。

本当は勇気を出してふらりと味の開拓なんてのにいければいいんだろうけど。