朝、家を出るときに時々、視力がよくなっていると感じることがある。先の方を行き交う車が見えるとか、立っている電柱がずいぶん先の方まで見えるとか、ずいぶん先の山の木々が見えるというような。
ところがこれが自分の錯覚によるものだと気がついた。大体これが発生するのは男性更年期障害の治療で男性ホルモンを注射してもらった次の月曜日だ。注射によりホルモンのバランスが整って元気になって俺の背筋が伸びていてまっすぐ前を見ていつもよりも視線が上がっており、見通しのよい道の向こうまで見えるようになったという、どうしようもないオチだ。
どうしようもないオチなんだけど、これにはこれ逆にしたらもしかして面白くなるかもしれないと思って逆をやってみている。朝からしんどくてもピッと背筋を伸ばして道の遠くをみて、そうするとわかるのだが別に視力がよくなったりはしてなくて雨とか霧でも無きゃ大体遠くまで見通せて、数えられる電柱の数もそう変わったりはしないのだ。だが、なんとなく気分がよくなる気がしているのでここのところ心がけている。
ここしばらく本来ならホルモンの注射が効いているはずの時期でもどうにも気分が持ち上がらない日が多くて仕事をしながらもにょもにょと考えていた。ちなみにおじさん、足だけ動かしていればいい仕事とか手だけ動かしていればいい仕事も多いので考える時間は割とある。おじさんというのは大体の場合もう人生に新鮮なこともなくって、本当はもっと遠くに手を伸ばしてみればいろいろあるんだろうけどもうその気力も無くてどんどんくたびれていくだけだなあ。そういえば小学生の頃ってなんか先にある楽しみが待ち遠しいみたいな生活してたよなあ。そういうことを考えていた。昔は毎日朝から新聞でテレビ欄を見て、その日のアニメ、好きな番組の予定を確認してそれを楽しみにしながら学校に行っていたことを思い出す。
ところで今年の冬はずっと待ってたのに鮭の白子が出回らないままにシーズンが終わってしまった。楽しみにしていたのに。ここからの季節だとハマチとかの白子が出回るようになるのでそれを楽しみにしていくしかない。というか先日出物があったので湯がいて味ぽんに漬けて食べた。うまい。近日中にある楽しみってなんだろうな。7月まで待つと「正反対の君と僕」セカンドシーズンが始まるから取り合えずそこまで頑張ろう。そうか、来週からBS時代劇が「あきない世傳」の新シリーズがはじまる、これもたのしみだ。高島のお兄ちゃんが一時期から悪役として完全に開花してて(例.大奥)それも楽しみなんだよな。この楽しみをあちこちに配置して、楽しみなことに視線をむけ、顔を上げて生き抜くしかない。
確か数年前にも似たようなこと書いてたな、確か。