出張帰り、やや早めに帰宅できそうだったのでこれは唐揚げでもやろうと、行きつけのスーパーで味付け済みの手羽元、食卓に野菜があまり載らなそうな気配なのでせめてと「豚汁・けんちん汁用野菜水煮」を購入する。のこりは常備菜か冷蔵庫の中身でなんとかなるだろうとの考えである。
昔から思うんだがあの店で売ってる手羽元(ときどき手羽中もある)の味付け肉ってアレなんであんなにおいしいんだろうな? 中学高校と弁当だったが、むかしっからあの味でおいしいし、土地が変わってもおなじ味でどこでもおなじあの赤い色で売っていると思う。どこかで編み出された最適解の味がおそらくは日本中の肉屋に広まっているのだろう。あの味が再現できる調味料を売ってくれないだろうか。あの味をもも肉にすり込んで揚げたらさぞおいしかろうと思うのだが。あの風味にパプリカパウダーが関わっているのはわかる、辛くないのに唐辛子みたいな爽やかな香りがするからな。原材料表示にはカレー粉等の材料も書いてはあるが再現しようとしていろいろ調合してみたが一向にわからん。カレー粉の使い方が難しすぎる。入れすぎるとすぐカレー味に侵略・占領されてしまうのでごくごく微量なのだろうが、入れないと確かにあの味にならない。
唐揚げを食卓へ出すとき、おかずとして何か野菜を絡ませる手段がなくてこまる。その間合い野菜のない罪悪感を隠蔽するために豚汁を作ることになる。
ところがこの豚汁をいつも下の子が残すので困っていた。観察してみると汁自体は飲み干して具材だけ残している。本人に聞いてもなんか嫌とのことでいまいち要領を得ない。これでいて普通の炒め物などはむしろ野菜ばかり食べるので肉を食べろと勧めることすらある。
ということで今回も豚汁を作ろうとした際に水煮の袋の方を観察していて気がついたのがどうも大根が生煮えっぽいことだ。うっすらと白いままのところがある。根菜はよく火を通さないと苦みばかりで甘みが表に出てこない。個人的には、にんじん嫌いの多くが火の通りが甘いにんじんを幼少期に食べさせられたのが原因ではないかと疑っている。余談ではあるが昔上司に連れられて行った福岡空港裏(裏扱いしてごめんなさい)にあったステーキハウスで出てくるにんじんを一本甘く煮込んだ付け合わせが本当においしかったことを思い出す。
実際に最初に水と出汁で煮る時間を多めにとってなおかつ味噌を入れてから再沸騰させてみた。一般的な味噌汁と違い豚汁は味噌を溶かした後に沸騰させる方がいいという説も先日インターネットで見かけた。鍋肌で干上がった味噌がメイラード反応を起こしておいしくなるのだそうである。だったら味噌汁は全部味噌を溶かしたあとに沸騰していいとなるはずだがそうではないらしい。具が多いから具材単品の風味だけを教授することができなくて、だったら焦げた味噌の香ばしさをとろうということか。
そうやって作った豚汁は今回見事完食してもらった。これならいい。とのことである。単純なことであったが、自分の不注意でおいしくない思いをさせていたとおもうと不憫である。すまぬ。